梅田測量事務所
土地家屋調査士 梅 田 幸 秀
登記制度の移り変わりと、表示に関する登記の関係
特に近年、土地の境界に関するトラブルが増加傾向にあります。トラブルが発生する原因としては、表示に関する登記制度が、時代の移り変わりに付いて行ってなかったのが原因だと思われます。
明治時代に始まった不動産登記制度は、幾度と無く改革が行われてきました。そして、日本が高度成長期を迎えた時、土地の価値が急激に高騰するようになりました。土地の売買のために分筆、合筆が頻繁に行われ、大規模な造成工事が増加する中、測量精度は今より数段低く、それに輪をかけて当時の表示に関する登記制度は、今の登記制度とは比べ物にならないほど緩かったのです。それにより、地図整備が遅れ地図混乱地域が発生したり、境界が曖昧な土地が出来てしまったのです。こういった不動産登記制度の歴史的な背景があるため、法務局等に備え付けられている図面は、作成された年代によって精度はさまざまであり、私たちの住む町は、成り立ちの違う土地 建物が入り乱れて形成されているのです。
